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SESで受信したメールをLambdaを通して転送&S3に保存 - Lambda(Python)/S3/SES

 

SESを設定することでメール送受信が可能になります。ここでは受信したメールをS3に保存し、更に中身を転送してみます。

 

SES

ここではオレゴンのリージョンを選択します。認証済みドメインであればどんなメールアドレスでも使えます。ドメインの認証方法は

notwodaily.hatenablog.com

などを参照。

認証済みドメインを用いて、SESでメール受信する際にS3へ保存するトリガーを設定します。詳細なやり方は

docs.aws.amazon.com

に倣ってできます。

 

S3

メールを保存するためのバケットを用意します。LambdaのIAMで参照出来るようにプロパティでバケットポリシーを設定(Principalを"*"とか設定すればOK)。

この時点で、SESで認証済みのドメインにメールを何かしら送信すればS3に内容が保存されます。実際に試してみると、

f:id:notwo:20170101191043p:plain

 このようになるはずです。

 

Lambda(Python)

S3にメールが保存されたというトリガーを設定してその都度Lambdaの処理を走らせるようにfunctionを作成します。

function

f:id:notwo:20170101192409p:plain
f:id:notwo:20170101192415p:plain

上画像の通りに設定。

ここではS3から保存されたメールのオブジェクトを取得→中身を解析→SESで送信の流れで処理を書きます。解析でやることは主にread()したあとにsubject, body(plain text), body(html), fromの中身を取得することです。html形式とplain text形式の両方が含まれます(相手が対応していない場合はhtmlはないかもしれません)。

メール転送はsend_mailだけ、中身は単純です。ここで注意しないといけないのは、replyおよびSourceにはSESで認証済みドメインしか使えないということ。このため、もしfrom情報を含めたければsubjectかbodyのどちらかに仕込むことになります。

コードは下記。

 

code

from __future__ import print_function

import json
import urllib
import base64
import boto3

s3 = boto3.client('s3')

EMAIL_TO = "送信先アドレス"

def send_mail(from_address, reply, subject, body, html_body):
    client = boto3.client('ses', region_name='us-west-2')
    client.send_email(
        Source="noreplyなど、送信専用アドレス",
        Destination={
            'ToAddresses': [
                EMAIL_TO,
            ]
        },
        Message={
            'Subject': {
                'Data': subject,
            },
            'Body': {
                'Text': {
                    'Data': 'from: ' + from_address + '\n' + 'body: ' + body + '\n' + 'html_body: ' + html_body,
                },
            }
        },
        ReplyToAddresses=[
            reply,
        ],
        ReturnPath="noreplyなど、送信専用アドレス"
    )

def lambda_handler(event, context):
    bucket = event['Records'][0]['s3']['bucket']['name']
    key = urllib.unquote_plus(event['Records'][0]['s3']['object']['key'].encode('utf8'))
    try:
        response = s3.get_object(Bucket=bucket, Key=key)
        mail = response['Body'].read().replace('\n','').replace('\r','')

        from_address = mail.split('envelope-from=')[1].split(';')[0]
        subject = mail.split('Subject: ')[1].split('To: ')[0]
        body = base64.b64decode(mail.split('base64')[1].split('--')[0])
        html_body = base64.b64decode(mail.split('base64')[2].split('--')[0])
        reply = "noreplyなど、送信専用アドレス"
        send_mail(from_address, reply, subject, body, html_body)
    except Exception as e:
        print(e)
        print('Error getting object {} from bucket {}. Make sure they exist and your bucket is in the same region as this function.'.format(key, bucket))
        raise e

以上です。細かく解説すると、

bucket = event['Records'][0]['s3']['bucket']['name']

でバケット名を、

key = urllib.unquote_plus(event['Records'][0]['s3']['object']['key'].encode('utf8'))

でファイル名を取得しています。LambdaのトリガーにS3を設定した場合必ずこれで取得できる構造になっています。

肝心の内容は

response = s3.get_object(Bucket=bucket, Key=key)
mail = response['Body'].read().replace('\n','').replace('\r','')

でメールオブジェクトを読み取ったあと、それぞれ

from_address = mail.split('envelope-from=')[1].split(';')[0]
subject = mail.split('Subject: ')[1].split('To: ')[0]
body = base64.b64decode(mail.split('base64')[1].split('--')[0])
html_body = base64.b64decode(mail.split('base64')[2].split('--')[0])

で送信元、タイトル(subject)、本文(body)、本文HTMLの4つを取得しています。元々のメールオブジェクトの中身は改行付きで1つの文字列として扱っておりわかりづらいので、mail = の行で改行を削除しています。そのうえで、ほしい情報を前後の文字列を見てsplit関数でうまいこと取り出しています。ゴリ押しですね...

S3のメールをダウンロードして中身のテキストを確認するとわかりますが、bodyの文字列がbase64エンコードされています。これをbase64デコードするために

base64.b64decode

を用いています。そのため、頭の

import base64

を忘れないこと!

これ以外の情報がほしければ、同様にsplitを使って文字列を切り出して取得する。

 

ここではS3にメールを保存しっぱなしにしていますが、メールが溜まってきたら容量は圧迫されるので、転送完了後に削除しちゃっても良いかもしれません。